充てん剤によるトリー劣化抑制に関する研究


概要

 高い電圧の絶縁では絶縁破壊の強さから想定される電圧よりもかなり低い電圧を高分子絶縁材料に加え続けていると絶縁破壊に至ることがあります。その場合、トリーと呼ばれる樹脂状の形状を持つ部分的な絶縁破壊が絶縁体内部でゆっくりと進展して、絶縁破壊に至っています。本研究では水酸化マグネシウム、水酸化マグネシウムなどの金属水酸化物、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウムなどの炭酸塩が高温状態になると大きな吸熱を伴って分解することを利用して、トリー進展を抑制することにより課電寿命を大きく改善することにより絶縁材料の信頼性を向上させる研究です。


関連文献
  • 太田司, 飯田和生:「エポキシ複合体の耐電圧寿命に及ぼす水酸化マグネシウムの効果」
    電気学会論文誌A, Vol.134, No.5, pp327-333 (2014).
  • 太田司, 飯田和生:「エポキシ複合体の耐電圧寿命に及ぼす炭酸塩充填剤の効果」
    電気学会論文誌A, Vol.135, No.8, pp488-495 (2015).
  • 太田司, 飯田和生:「エポキシ複合体の耐電圧寿命に及ぼすアルミナ水和物の効果」
    電気学会論文誌A, Vol.135, No.1, pp.47-54 (2015).

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